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順番数寄・その1 ~恒星輪廻図の「をかし」~

 このブログにこと寄せて、自分の「順番感覚」を洗い出そうとしているのですが、あれこれ思い返すうち、僕は小さい頃から「順番好き」な子供だったのかもしれない、と思い当たってきました。

 自分の記憶の発端のほうに、なぜか「恒星の一生」の図があるのです。
 小さい頃は図鑑をながめるのが楽しみだったので、多分宇宙についての図鑑の一ページに載っていた図だったのでしょう。実際には見開き2ページにわたっていたと思いますが。

 左ページ左上のほうに、まず宇宙を漂うもやもやしたガスが描かれ、その中に真珠の小粒のように、白く幼い恒星が一つ生まれ、そこから右下へと向かって数珠をつなぐように恒星の育つさまが描かれていました。直径が増すにつれて星の色味は薄黄から朱へと変わり、図は右ページへと突入し、恒星は紅蓮の炎をまとった赤色巨星へと急速に変容してゆくのです。

 星の成長と自らの質量とのバランスが崩壊すると、終末に至る劇的な展開として大爆発が起きます。再び原初のガスの雲が描かれ、その中で恒星の運命はその質量に応じて三者三様に描かれます。軽い恒星は幼生に戻ったかのような白色矮星として、重いものは重金属の塊のような黒色矮星として、そしてさらに重いものは、爆縮の力が物質存在そのものを支える力を上回った挙句、ただただ重力だけが存在する宇宙の陥穽、ブラック・ホールとして……。これらの末路が右ページの下端に小さめに描かれ、幼い僕に遠い世界の物語の完結を示していました。

(上記記述はあくまで僕の幼時の記憶を取り出しただけのもので、きっと現在の宇宙科学の知見とはずいぶん食い違っているでしょう。爆発を通過せずに矮星へと至る恒星もあるようです。お含みおき下さい)

 つい文章師の腕がうずうずして、文章にいくぶん物語的修飾を施してしまいましたが、図鑑には他の絵も色々あっただろうに、その図だけが今に至るまで強く残っているというのは、幼い頃の僕の「いとをかし」が、その恒星輪廻図の数珠のような時間的連なりのありさまに強く向けられていた、ということだったのでしょう。

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