はじめに
人間だけでなく、おそらくすべての生命はそれぞれの活動のなかに何らかの区切りをつけて生きていると考えられる。そこには、時間、空間、意味(情報)などの軸があり、厳密にいえば、個体差や地域の差といったものもある。どこで区切りをつけるか、ということで、時間的にも物理的にも認識的にも境界が発生するということになる。
たとえば、空間や環境では、誰でも経験があることであろうが、子供の頃、道や歩道を歩いていて、マンホールや歩道のパターンを意識したことはないだろうか・・・? 電柱や塀、ガードレールや白線など・・・。要するに、無意識のうちに自分と環境のなかの領域を区分しようとする訓練をしているわけである。同じように、空間なら空間で、人はさまざまなサインや装置によって、空間を区切っている。人工的なものばかりではない。山や川だってもちろん境界であった。向こうとこちら、聖と俗、パブリックとプライベート、外部と内部・・・。
私たちは、たまたまインテリアデザインの仕事をしていることもあるが、主に空間的な分野においていかに人間は領域を区分し、境界を意味付けて来たのか・・・そうしたことをつれづれに書いていけたらとおもう。
こうした区分は、一日にしてできたわけではなく、多くの歴史と民族の共同認識のうえに成立しているものである。私たちは、もっとそうした部分の隠れた方法を見いだし、現代に活かしていかなければならないであろう。そういった立場から見てみたいとおもう。






