【64編集技法コラム-27】引用(盗んで補う)
過去の情報を有効に活用し、組み立てて新たな情報系をつくりあげたり、物事の理解のために用いる編集技術が「引用」です。
多くの引用が近代に盗作とか剽窃(ひょうせつ)として禁じられていますが、日本の文芸の中核をなす「本歌取り」などの編集法を無視するわけにはいきません。それは先例や事例ともなって、事態の進行を方針づける役割も果たし、推論や理由づけの根拠ともなり、多くのメタファー(隠喩)や見立てを成り立たせます。
たとえばパソコンを起動して最初に表示される画面はヨーロッパ型の「机の上」を画面上に例えたデスクトップメタファーです。このメタファーを舞台や庭園にすると、情報の組み立て方がすっかり変化するでしょう。このような情報の引用性は情報を補い、理解を援助するあらゆる情報技術を発生させているのです。
(64編集技法解説: 編集学校師範 高橋秀元)






