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不可能な物体Xにかんする事情

先回の「ありえない風景」の続きというわけではないが、今度は、ありえないオブジェの話である。
まずは、下記ページを見ていただきたい。
1 ペンローズの三角形
物理学者ロジャー・ペンローズが考案した図形であるが、よく見ると、現実にはありえない三角形であることがわかる。
ペンローズは、このように不可能な図案を好んで描いている。
だが、下記ページを見ていただくと、なんと、この不可能な三角形がリアルな模型になっているではないか。
2 ペンローズのリアルな三角形
これには、タネもしかけもない、わけではない。
タネ明かしは、次の通りだ。
3 不可能な三角形の正体
不可能な三角形の正体は、ねじまげられデフォルメされた三角形である。この模型をある角度から見ると、2の写真のように見える。
オランダのMC.エッシャー社が、幾何学モデリングとコンピュータグラフィック技術を駆使して作成したモデルである。
同社は、エッシャーの作品も多数リアル模型にしている。
http://www.cs.technion.ac.il/~gershon/EscherForReal/

不可能な三角形の正体は、デフォルメされた三角形だった。
うーん、なんだか、奥が深ーい感じがする。


「デフォルメ」が編集技法として活用されると、アグレッシブで破壊力のある表現が生みだされる。

ストレプシアデス「まず第一に、お前さま何をしてござらっしゃるのか、お願いだ、わしに教えてくだされ。」
ソクラテス「これなん、空気(アエール)をふみ、思いを太陽のまわりに馳せているところだ。」
ストレプシアデス「するってえと、釣りかごの上から、神さまを尻目に、思案をねってござるというわけですかい。何しても、地上からでは、そうはいかないというんで。」(アリストパネス「雲」田中美知太郎訳)

 アリストパネスの手にかかると、ソクラテスもかたなしだ。
 ここでは、ソクラテスは、あろうことかソフィストの代表に祭り上げられ、地に足のつかない論述を繰りだすソフィストの特徴が、みごとにデフォルメされ、揶揄しつくされている。
ギリシア喜劇の真骨頂は、このデフォルメとパロディアであるといってもいい。
ときにデフォルメは真実よりも真実っぽい。
ほー、なにか奥が深そうですなあ。
続きは、また今度。

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