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マイナスの空洞にできる形との出会い

大学に入るときも「土」が気になっていて、結果的に彫金を専攻したんです。鋳物というのは、土をこねて、それで型をつくって、その型に土をかぶせて型を抜いて、それでその空洞に溶けた金属を流し込む。型を割って、それで削ってつくるという作業です。「形」は、土をこねることによってできてくる。原点はそこにあるんじゃないかと考えています。 型があって、その型にあわせてマイナスの空洞に物体ができあがる。この「マイナスのところ」に、えも言われぬ「形」ができていく。彫刻などはプラス面で「形」をつくってやるということになるんですが、鋳金というのは、抜いた空洞につくる型になるわけです。それを削ったり、タガネで削って、ヤスリでこすってつくる。そういう型というものの原型が金属と出会う。その中にはさまざまな型づくりの職人の技があるわけです。

そんなことをやっていた私が、なぜかオートバイのデザイナーになるんですが、オートバイというのは非常に面白い。まずエンジンがあって、これが鋳物でつくる型になっている。ギアがあって、回転がある。連動しながらシャフトが上下する。そしてシリンダーを動かして、できあがった空洞に火が入る。そうすると、それがストンストンと回るわけです。金属と空洞でできたところに、エネルギーが入って、そして回転しながらチェーンでギアを回して、そしてタイヤを動かして、走っていく。オートバイはライダーの体がむき出しになっていて、それがオートバイに抱きついて、しがみついている。そして、体を揺らしながら、バンクさせて走る。

土と人間とエネルギーのかたまりのエンジンが、人機一体となって、そして空間の中の、風の中をスピードをかけて上下させながら、そして遠心力をかけて、コーナーを回る。ブレーキをかけたら、ギュッと止まる。バーッと体が前へ持っていかれますよね。時には空間を飛んだりする。そのときには、人間とマシンが一体となって生まれる一つの喜びがある。これは面白い。

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