様々な制度や方法論が行き詰っている。やみくもに前に進んでいればそれなりにつじつまが合う時代は過ぎ去った。
時代は「編集」を求めている。
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編集術とは―講談社新書『知の編集術』より

 編集術とは、われわれがどのように世界にかかわるかという「方法」に目を凝らそうという、いわば「気がつかなかった方法を気づくための方法」というものである。もうすこし突っこんでいえば、世界をすべからく情報世界とみなし、その情報を「すでに編集されている部分」と「編集されにくかった部分」とに分け、その両者を串刺して通観できる方法を多少とも明示化してみようというものだ。その意味で、「そこにあるもの」から「次にあるもの」に跳ぶことをめざす連想法は編集術にとってもわかりやすい手法になっていた。
 しかし、編集術を明示化するというのは容易ではない。いちばんの問題は、いろいろな方法が重なったり、交差しているということである。また各部分をどのようにネーミングするかということも厄介である。たとえば「類推」というか「推理」というかは、いちがいにどちらがいいとは決められない。だからほんとうはただ一言で「編集」とか「エディティング」といっているのがいちばんなのだが、むろんそれではわかりにくい。そこで、いささか強引ではあっても、編集の方法というものを区分し、ある程度のところは機能や効能によって方法の特徴をあきらかにしておくことが便利になる。その機能や効能を編集工学では「編集技法」とよんでいる。
 これから一覧を提示し、そのうえで若干の説明をしておこうとおもうのは、編集技法を総覧することによって、われわれが立ち向かっている世界の情報というものが、どんなレベルとどんなアプローチで記録されうるのか、また再生されうるのか、その技法的な底辺を知ってもらいたいからである。編集術は一様に情報化されつつある今日の世界像に対する、方法の側からの挑戦でもあるわけなのだ。

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