Ⅱ 教育の現場から-6.逆境の中で
プロダクトデザイン、インテリアトデザイン、クラフトトデザインの3つのコースが一体となって成る40年余り続いた「立体デザイン科」は、数年前の改組で解体されたと聞く。
インテリアは建築学科と合体し環境デザイン学科となり、クラフトはガラスや陶芸と組んで工芸学科に。そして新たに、コンピュータを使う先端デザインを受けもつ情報デザイン学科が生まれたそうだ。
結果、伝統のプロダクトデザインは、性格を異にするテキスタイルデザインと組んで「生産デザイン学科」となったという。
早い話が、みんなが分家して出て行って、本家(…と勝手に思っている)の方は、狭いところに押し込まれ周りからも蓋をされ、これまで関係の薄かったところとの2人三脚で、身動きのとれない閉塞状態にあった。当然モラルも下がっていた。
プロダクトデザインは本来、人々の生活を心豊かにするために、多元的、多様的(ダイバーシティ)なものを繋げる協働的役割(シナジー)であるはず。幅広いものの考え方ができる人間に育たなければならないのに…
私はそんなところを任されたことになる。いや、知らずに引き受けた方がバカだと言われればそれまでだが、後悔先に立たずとはこのことであった。
それはさておき手始めに、新しく生まれた、耳慣れない「生産デザイン学科」という「名称」について、みんなでレビューしてみようということになった。
最初のうちは、以前の「立体デザイン科」に戻したいという声が強かった。が、生産デザイン学科の「生産=Production」とは何かという議論を進めるうちにやがて、「生産」とは人間が自然に働きかけ、人にとって有用な財(モノ)・サービス(こと)を作り出す人の「行為」、およびその「結果」を指すものだということを知るに至った。
そう考えると、「生産」は「創出」の意味合いが強く、人々の「こころ(意)」から発する働きであり21世紀にふさわしい名称である、との科内全員の意思統一がだんだんとできあがってきた。






