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Ⅱ 教育の現場から-39.プノンペン雑感

日本政策投資銀行での講演が縁で、JICAからカンボジアでの講演依頼がきた。日本政府が支援して、プノンペン王立大学の敷地内にできた技術支援センターの開所式で、記念講演を引き受ける。
カンボジアではホンダの知名度が高く、ことに、大戦後の荒廃の中から、世界のホンダをつくり上げた創業者・本田宗一郎の人気が高いことから、今回のことに繋がったようだ。
首都プノンペンのメコン河を見下ろす白亜のホテルにチェックインした。街は、裸足の人が歩いているかと思うと、メルセデスやランドクルーザーなどの高級車を乗り回すお金持ち、さながら日本の、敗戦直後と現在が混在しているような不思議な光景だった。
その夜は、通訳の女性との打ち合わせになった。彼女は、こちらの大学に留学し、卒業後もそのまま勉強を続けている。聞けば、初代シビックの発売した年に生まれたという。外国の地で、立派に自立している日本女性を見た。
初日は、フーセン首相の挨拶、続いてマハティール前マレーシア首相の講演。会場には、大勢の政財界や教育関係の人たちが、出来上がったばかりの定員500名というセンターの大ホールを埋めた。マハティール氏はスピーチの中で、マレーシアの驚異的な復興の手本は日本であったと。そして特にソニーやホンダを事例に、目標を高くして挑戦することの大事さを力説した。
次の日は私の記念講演。この日は、大学生の参加も多く立ち見の人も。ホンダのブランドの凄さに驚かされる。カンボジアの若者たちの質問攻めで、熱気のあるレクチャーとなり、彼らからエネルギーをもらった。
それにしても、聴衆はほとんどが若い人。後で聞いてみると、ポルポト政権の下、働き盛りの大勢の人たちが、死に追いやられるか精神的なダメージを受けたからだという。私の話を聞き入る、若者たちの明るい顔やきらきらした目からは想像し難い。
 今回の成功は、JICA,CJCCの方々の周到な準備のお陰と言ってよい。多くの日本の若者が外国支援で頑張っているのに驚く。特に、英語やカンボジア語を駆使しての、若い女性の活躍には圧倒された。それにまた、定年後はNPOに身を置き、これまでに培った知識や技術を活かし、支援活動に精を出している何人もの元企業戦士に出会い元気をもらった。これからも頑張れそうだ。

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